循環器内科を受診すると、不整脈の原因や種類、重症度を特定するために、いくつかの系統だった検査が行われます。どのような検査が行われるのかを事前に知っておくことで、受診への不安を和らげることができます。診断の第一歩は、非常に詳細な「問診」から始まります。医師は、「いつから症状がありますか?」「どのような時に症状が出ますか?(動いている時、じっとしている時など)」「症状はどのくらい続きますか?」「動悸は『ドキドキ』と速い感じですか、『ドクン』と飛ぶ感じですか?」「胸の痛みや息切れ、めまいなど、他の症状はありますか?」といったことを詳しく質問します。この問診は、不整脈の種類を推測する上で非常に重要な情報となります。次に、聴診器で心臓の音を聞いたり、手首で脈拍を触診したりする「身体診察」が行われます。そして、基本かつ必須の検査が「12誘導心電図」です。胸や手足に電極を貼り、数分間で心臓の電気的な活動を記録します。この検査で、検査中の不整脈の有無や種類、心筋梗塞や心肥大などの兆候がわかります。しかし、不整脈は時々しか出ないことが多いため、受診時の心電図だけでは異常が見つからないことも少なくありません。そこで行われるのが「ホルター心電図」です。携帯可能な小型の心電計を24時間装着し、仕事中や睡眠中も含めた日常生活全体の心電図を記録します。これにより、一過性の不整脈や、特定の状況下で出現する不整脈を捉えることが可能になります。不整脈の原因を調べるためには、「心エコー(心臓超音波)検査」が極めて重要です。ゼリーを塗った胸の上から超音波の出る機械を当て、心臓の大きさや壁の動き、弁膜症の有無、心臓のポンプ機能などを評価します。心臓に基礎的な病気がないかを確認する大切な検査です。その他、必要に応じて、貧血や甲状腺機能、電解質異常などを調べる「血液検査」や、運動によって不整脈が誘発されるかを調べる「運動負荷心電図」が行われることもあります。これらの検査結果を総合的に判断し、診断と治療方針が決定されます。