「水を飲むとすぐトイレに行きたくなる」という症状はありふれたものですが、中には重大な病気が隠れている危険なサインである可能性もあります。日常生活に支障がない程度であれば様子を見ることもできますが、特定の症状を伴う場合は、自己判断せずに速やかに医療機関、特に泌尿器科の受診を強くお勧めします。まず最も注意すべきサインは、排尿時に痛みや焼けるような感覚(排尿時痛)がある場合です。これは膀胱炎や尿道炎、前立腺炎など、尿路のどこかで感染や炎症が起きていることを強く示唆します。次に、尿に血が混じる「血尿」です。肉眼で見てわかる血尿はもちろん、健康診断で指摘されるような顕微鏡レベルの血尿も、膀胱がんや腎臓がん、尿路結石といった深刻な病気の初期症状である可能性があります。特に痛みを伴わない血尿は、がんの重要なサインであることがあり、絶対に見過ごしてはなりません。また、頻尿に加えて、急な発熱や悪寒、腰や背中の痛みがある場合は、腎盂腎炎の疑いがあります。これは腎臓で細菌感染が起きた状態で、膀胱炎から波及することが多く、放置すると重症化する危険があるため、緊急の対応が必要です。その他にも、説明のつかない体重減少、常に喉が渇いて大量の水を飲む、足のむくみ、激しい倦怠感などを伴う頻尿は、前述の通り糖尿病や腎機能障害の可能性を考えなければなりません。急に症状が出現した、日に日に頻度が増している、夜間に何度もトイレに起きることで睡眠が妨げられているなど、症状の「変化」や「程度」にも注意を払い、これらの危険なサインを見逃さないようにすることが、早期発見・早期治療への重要な一歩となります。