ある日突然、胸がドキドキする、脈が飛ぶ、あるいは逆に脈が遅くてふらつく。このような「不整脈」を疑う症状を感じた時、多くの人が「何科を受診すればいいのだろう?」と不安に思うことでしょう。不整脈とは、心臓の拍動のリズムが一定でなくなる状態の総称であり、その種類や原因は多岐にわたります。単に脈が一度飛ぶだけのものから、めまいや失神を引き起こすもの、さらには脳梗塞や突然死に繋がる危険なものまで様々です。だからこそ、不整脈の症状を覚えた際には、自己判断で様子を見たり、専門外の科を受診したりするのではなく、適切な診療科を選んで正確な診断を受けることが極めて重要になります。結論から言うと、不整脈の診断と治療を専門とする診療科は「循環器内科」です。循環器内科は、心臓と血管の病気を専門的に扱う科であり、不整脈の原因となる心臓そのものの状態を評価するための知識と技術、そして専門的な検査機器を備えています。もちろん、症状によっては他の病気が隠れている可能性もあります。例えば、動悸が甲状腺の病気から来ている場合は内分泌内科、強い不安感やパニック発作に伴う場合は心療内科が関わることもあります。しかし、それらの可能性を考える前に、まず最も重要なのは「命に関わる心臓の病気を見逃さない」ことです。そのため、動悸、息切れ、めまい、胸の不快感など、不整脈を思わせる症状があれば、まずは循環器内科を受診することが基本中の基本となります。もし近くに循環器内科がない場合や、どの科か判断に迷う場合は、かかりつけの総合内科医に相談し、初期診断と適切な専門科への紹介をしてもらうのも良い方法です。この記事では、なぜ循環器内科が第一選択なのか、そして症状に応じた他の診療科の可能性や、緊急時の対応について詳しく解説していきます。