健康と福祉の融合を目指すライフスタイル提案

2025年8月
  • 整形外科を受診すべき背中の痛みの特徴

    医療

    背中の痛みで最も多くの人がお世話になるのが整形外科です。整形外科は、骨、関節、筋肉、靭帯、神経といった「運動器」に関わる病気や怪我を専門とする診療科であり、背中の痛みの原因の多くがここに集約されます。では、どのような背中の痛みであれば、まず整形外科を訪れるべきなのでしょうか。その判断基準となる特徴的な症状や状況があります。まず、痛みの原因やきっかけがはっきりしている場合です。例えば、「重い荷物を持ち上げてから痛くなった」「スポーツで体を捻ってから痛む」「長時間同じ姿勢で作業をしていたら痛くなった」など、特定の動作や負担が原因で痛みが生じた場合は、筋肉や筋膜の損傷(筋筋膜性腰痛症、いわゆるぎっくり背中)、あるいは椎間関節の捻挫などが考えられます。また、痛みが体の動きと連動している場合も整形外科の領域です。「体を前に曲げると痛い」「後ろに反ると響く」「起き上がる時に激痛が走る」といったように、特定の姿勢や動作で痛みが強まったり、逆に楽な姿勢があったりするのは、運動器系のトラブルの典型的なサインです。さらに、痛みだけでなく、足のしびれや麻痺、感覚の鈍さ、足に力が入らないといった神経症状を伴う場合は、腰部椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の可能性が高まります。これらの病気は、背骨(脊椎)の中にある神経が圧迫されることで発症し、専門的な診断と治療が必要です。高齢者の場合は、特に強いきっかけがなくても、転倒したり尻もちをついたりした後に痛みが続く場合、骨粗鬆症を背景とした脊椎の圧迫骨折を起こしている可能性も考慮しなければなりません。これらのように、痛みが動作に関連し、明らかな原因があり、特に神経症状を伴う場合は、自己判断でマッサージなどに行くのではなく、まずはレントゲンやMRIといった画像検査が可能な整形外科を受診し、正確な診断を受けることが根本的な解決への第一歩となります。

  • 膀胱の痛みと頻尿を引き起こす間質性膀胱炎の正体

    医療

    トイレが異常に近い、水を飲むとすぐに尿意をもよおすが、いざトイレに行っても少量しか出ない。そして排尿後もスッキリせず、下腹部や膀胱あたりに不快感や重苦しい痛みが残る。このような症状がある場合、「間質性膀胱炎」という慢性的な病気の可能性があります。これは、細菌感染が原因ではないにもかかわらず、膀胱の粘膜に炎症や機能障害が起こる病気で、近年では膀胱痛症候群とも呼ばれています。一般的な細菌性膀胱炎とは異なり、尿検査をしても細菌が見つからず、抗生物質を服用しても効果がないのが特徴です。原因はまだ完全には解明されていませんが、膀胱の粘膜表面を覆って尿の刺激から壁を守っているグリコサミノグリカン(GAG)層というバリア機能が何らかの理由で損傷し、尿中の刺激物質が膀胱の壁に浸透して神経を刺激することで、痛みや頻尿を引き起こすのではないかと考えられています。症状は個人差が大きいですが、尿が溜まってくると膀胱や下腹部、尿道、骨盤周辺に痛みや圧迫感を感じ、排尿するとその痛みが一時的に和らぐというサイクルを繰り返すことが多いです。このため、患者は無意識のうちに痛みを避けるため、尿が溜まる前に頻繁にトイレに行くようになります。診断は、症状の問診に加え、他の病気を除外するための尿検査や超音波検査、膀胱に水を入れて痛みや反応を見る膀胱水圧拡張術を伴う膀胱鏡検査などが行われます。治療は一筋縄ではいかず、食事療法(酸性度の高い食品やカリウムを多く含む食品、香辛料などを避ける)、理学療法、薬物療法(鎮痛薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬など)、膀胱内に薬液を注入する治療などを組み合わせて行います。難治性で長く付き合っていく必要のある病気のため、泌尿器科の専門医への相談が不可欠です。

  • 今日から始める下まぶたのものもらい徹底予防法

    生活

    下まぶたにできる痛くて煩わしいものもらいは、実は日々の生活習慣を見直すことで、その発生リスクを大幅に下げることが可能です。ものもらいを寄せ付けないためには、外的要因のブロックと内的要因のケア、この二つのアプローチが非常に重要になります。最も基本的ながら効果的なのは、外的要因、すなわち細菌の侵入経路を断つことです。何と言っても目の周りを常に清潔に保つことが鉄則です。私たちは一日のうちに無意識に何度も手で目をこすったり触ったりしていますが、その手には目に見えない無数の細菌が付着しています。石鹸と流水で30秒以上かけて指の間や爪先まで丁寧に洗う、正しい手洗いを習慣づけましょう。特にコンタクトレンズを使用している方は、レンズの着脱前には必ずこの手洗いを行い、清潔な状態で扱うことを徹底してください。レンズケースも毎日洗浄・乾燥させ、保存液は継ぎ足さずに交換することが必須です。また、女性の場合はアイメイクの方法も見直しましょう。まつ毛の生え際の内側、粘膜部分にまでアイラインを引く行為は、マイボーム腺の出口を物理的に塞いでしまい、霰粒腫の原因や細菌感染の温床となり得ます。メイクは一日の終わりに専用のリムーバーで確実に落としきり、ブラシやチップなどの道具も定期的に洗浄・交換して清潔を保ちましょう。次に、内的要因のケア、つまり免疫力の維持です。慢性的なストレス、疲労、睡眠不足は体全体の免疫力を低下させ、普段は問題にならない常在菌に対する抵抗力を弱めてしまいます。質の高い睡眠を確保し、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。特に、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンAやビタミンB群、免疫機能をサポートするビタミンCや亜鉛などを積極的に摂取すると良いでしょう。さらに、積極的なまぶたのケアとして「温罨法(おんあんぽう)」も有効です。40度程度に温めた蒸しタオルを5分ほどまぶたの上に乗せることで、マイボーム腺の脂の詰まりを溶かし、血行を促進して霰粒腫の予防に繋がります。日々の小さな積み重ねが、厄介なものもらいに対する最大の防御策となるのです。

  • ためらわずに救急車を!危険な不整脈のサイン

    知識

    不整脈の中には、症状が軽いものや、放置しても問題ないものもありますが、一方で、脳梗塞を引き起こしたり、突然死に直結したりする、極めて危険なタイプも存在します。そのような危険な不整脈のサインを知っておくことは、万が一の事態に迅速かつ適切に対応し、自分自身や大切な人の命を守るために非常に重要です。以下に挙げるような症状が現れた場合は、絶対に様子を見たり、自分で車を運転して病院へ行こうとしたりせず、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。最も危険なサインの一つが「意識を失う、失神する、あるいは目の前が真っ暗になる」という症状です。これは、心室頻拍や心室細動といった致死性の不整脈により、心臓がポンプとしての機能を失い、脳への血流が数秒間途絶えてしまうことで起こります。意識が戻ったとしても、いつ再び危険な状態に陥るかわからないため、直ちに救急要請が必要です。次に、「強い胸の痛みや圧迫感、締め付けられるような痛みを伴う」場合です。これは、心臓に血液を送る血管が詰まる心筋梗塞が、危険な不整脈を引き起こしている可能性があります。痛みは背中や左肩、顎にまで広がることがあり、冷や汗や吐き気を伴うことも多いです。また、「突然の激しい動悸と共に、立っていられないほどの強いめまいや、息ができないほどの呼吸困難に陥る」場合も、血圧が急激に低下している危険な兆候です。さらに、不整脈の合併症として最も警戒すべき「脳梗塞」のサインにも注意が必要です。特に心房細動という不整脈では、心臓の中にできた血栓が脳の血管に飛んで詰まることがあります。その結果、「突然、片方の手足に力が入らなくなる、しびれる」「呂律が回らない、言葉が出てこない」「片方の口角が下がり、顔が歪む」「視野の半分が欠ける」といった症状が起こります。これらの症状は、不整脈の症状(動悸など)と同時に、あるいは単独で現れることもあります。脳梗塞は時間との勝負です。これらの症状が一つでも当てはまれば、それは緊急事態です。救急隊員が到着するまでの間、可能であれば横になり、衣服を緩めて楽な姿勢で待つようにしましょう。

  • 眠れない夜を乗り切るためのセルフケア

    生活

    つらい不眠の症状を根本的に改善するためには専門医の助けが必要な場合もありますが、日々の生活の中で自分自身でできる睡眠の質を高めるための工夫も非常に重要です。薬だけに頼るのではなく生活習慣を見直し眠りを妨げる要因を一つずつ取り除いていくこと。それが健やかな眠りを取り戻すための土台となります。ここでは今日から始められる効果的なセルフケア「睡眠衛生指導」のポイントをいくつかご紹介します。まず最も基本となるのが「睡眠のリズムを整える」ことです。毎日できるだけ同じ時刻に起床し同じ時刻に就寝することを心がけましょう。休日でも平日の起床時刻との差を2時間以内にとどめるのが理想です。そして朝起きたら必ず太陽の光を浴びること。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、夜自然な眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されやすくなります。次に「寝室の環境」を見直しましょう。寝室は眠るためだけの静かで暗く涼しい空間にすることが大切です。スマートフォンやテレビなどを寝室に持ち込むのはやめましょう。画面から発せられるブルーライトは脳を覚醒させメラトニンの分泌を抑制してしまいます。寝る前の1時間はデジタルデバイスから離れ読書やヒーリング音楽を聴く、アロマを焚くなど心身がリラックスできる入眠儀式を持つのがおすすめです。また「食事」や「飲み物」にも注意が必要です。就寝前の3時間以内には食事を済ませるようにし胃腸に負担をかけないようにします。カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶は覚醒作用があるため午後以降は避けた方が賢明です。寝酒としてアルコールを飲む人もいますがアルコールは寝付きを良くする一方で睡眠の後半部分を浅くし中途覚醒の原因となるため逆効果です。そして「適度な運動」も質の良い睡眠には不可欠です。日中にウォーキングなどの有酸素運動を30分程度行うと、心地よい疲労感がスムーズな入眠を助けてくれます。ただし就寝直前の激しい運動は交感神経を興奮させてしまうため避けましょう。

  • 水を飲むとすぐ尿意が来るのは病気のサインか

    医療

    水を飲んだ後、比較的短い時間でトイレに行きたくなるという経験は、多くの人が持っています。これは多くの場合、私たちの体が持つ精巧な水分バランス調整機能による正常な生理反応です。体内に取り込まれた水分は、腸で吸収されて血液中に入り、腎臓で濾過されて尿として生成されます。この一連のプロセスは、体内の水分バランスと血液の浸透圧を一定に保つための重要な仕組みです。特に、体がすでに水分で満たされている状態や、寒い環境で血管が収縮し、腎臓への血流が増加している時には、尿の生成が早まることがあります。また、コーヒーや紅茶に含まれるカフェイン、アルコールなど利尿作用のある飲み物を摂取した場合も、尿の量は増え、尿意を感じやすくなります。しかし、この「すぐ」という感覚が極端であったり、一回の尿量が非常に少なかったり、頻繁に繰り返されたりする場合は、単なる生理現象ではない可能性も考えられます。例えば、膀胱が過敏になって少量の尿でも強い尿意を感じる「過活動膀胱」や、膀胱自体の容量が小さい、あるいは骨盤底筋の緩みなどが原因となっていることもあります。重要なのは、その頻度や程度が日常生活に支障をきたしていないか、他に気になる症状はないかという点です。もし、頻尿が急に始まった、夜中に何度も起きる、残尿感や痛みがある、異常に喉が渇くといった場合は、背景に何らかの病気が隠れているサインかもしれません。単なる体質や加齢のせいだと片付けずに、自分の体の変化に注意を払い、不安を感じるようであれば専門医に相談することが大切です。

  • 首のこりや痛みを伴うふらつきは整形外科?

    医療

    肩や首の慢性的なこりや痛みに悩まされている人が、同時にふらつきを感じることは珍しくありません。このような場合、「このふらつきは首から来ているのではないか」と考え、「整形外科」を受診すべきか迷うことがあるでしょう。実際に、首周りの異常がふらつきの原因となることはあり、これは「頸性(けいせい)めまい」と呼ばれています。頸性めまいが起こるメカニズムはいくつか考えられています。一つは、首の筋肉の異常な緊張が、首にある位置覚センサー(固有受容器)の働きを狂わせ、脳に誤った体の位置情報を送ってしまうことで、平衡感覚にズレが生じるという説です。長時間のデスクワークやスマホ操作による不良姿勢が、首の筋肉に過度な負担をかけ、この状態を引き起こすことがあります。ふらつきと共に、首のこりや痛み、頭痛、頭重感などを伴うのが特徴です。また、加齢によって首の骨(頸椎)が変形する「変形性頸椎症」や、「頸椎椎間板ヘルニア」なども、ふらつきの原因となり得ます。これらは、首の骨の中を通る神経や、椎骨動脈という脳に血液を送る重要な血管を圧迫することで、めまいやふらつき、手足のしびれなどを引き起こすことがあります。特に、首を上に向ける、あるいは特定の方向に回すといった動作でふらつきが悪化する場合は、頸椎の異常が関与している可能性が考えられます。整形外科では、まずレントゲンやMRIといった画像検査を行い、頸椎の骨や椎間板、神経の状態を詳しく評価します。そして、頸椎に明らかな異常が見つかれば、それに対する治療(薬物療法、リハビリテーション、神経ブロックなど)が行われます。しかし、注意が必要なのは、首のこりや痛みを伴うふらつきの全てが整形外科の領域とは限らない点です。高血圧や自律神経の乱れが、首のこりとふらつきの両方を引き起こしている場合もあります。したがって、まずは整形外科で首の状態を調べてもらい、そこに明らかな原因が見つからない場合は、内科や耳鼻咽喉科など、他の診療科での評価も視野に入れる必要があります。

  • グルグル回るめまいとふらつきは耳鼻咽喉科へ

    医療

    ふらつきの症状の中でも、特に「自分自身や、周りの景色がグルグルと回転するような感覚」を伴う場合は、「回転性めまい」と呼ばれ、その多くは耳の奥にある平衡感覚を司る器官の異常が原因です。この耳の器官とは、「三半規管」と「耳石器」からなる「内耳(ないじ)」のことです。したがって、このような回転性のめまいとそれに伴うふらつきを感じた場合に、まず受診すべき診療科は「耳鼻咽喉科」です。耳鼻咽喉科で扱う代表的なめまいの病気には、いくつかの種類があります。最も頻度が高いのが「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」です。これは、耳石器の中にある「耳石」という炭酸カルシウムの粒が何らかの拍子で剥がれ、三半規管の中に入り込んでしまうことで起こります。頭を特定の方向に動かした時(寝返りをうつ、起き上がる、頭を洗うために下を向くなど)に、数十秒から1分程度の短い時間、グルグルと激しい回転性めまいが生じるのが特徴です。吐き気を伴うこともありますが、難聴や耳鳴りは伴いません。次に、激しい回転性めまいに加えて、耳鳴りや難聴、耳の閉塞感といった聴覚症状を伴う場合は、「メニエール病」の可能性があります。めまいの発作を数時間単位で繰り返し、進行すると聴力が低下していくのが特徴です。また、風邪などをひいた後に、突然、数日間続く非常に強い回転性めまいと吐き気に襲われ、難聴は伴わない場合は、「前庭神経炎」が疑われます。耳鼻咽喉科では、まず詳しい問診でめまいの性質や持続時間、きっかけなどを確認します。そして、眼の動きを観察する「眼振検査」や、体のバランスを調べる「重心動揺検査」、聴力を調べる「聴力検査」など、専門的な検査を組み合わせて診断を下します。治療は、原因疾患に応じて、めまいを抑える薬や吐き気止め、血流改善薬などが用いられます。良性発作性頭位めまい症に対しては、三半規管に入り込んだ耳石を元の位置に戻すための「理学療法(頭位治療)」が非常に有効です。回転性のめまいは非常につらい症状ですが、その多くは耳鼻咽喉科で診断・治療が可能です。

  • 家庭でできること、マイコプラズマの感染拡大を防ぐために

    生活

    家族の誰か、あるいは自分自身がマイコプラズマ感染症と診断された場合、適切な治療を受けると共に、家庭内や学校、職場での感染拡大を防ぐための対策を講じることが社会的な責任として求められます。マイコプラズマの主な感染経路は、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる病原体を吸い込む「飛沫感染」と、病原体が付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」です。これらの経路を断つことが、予防の基本となります。まず、感染者は症状が落ち着くまで、可能な限りマスクを着用することが最も重要です。咳やくしゃみをする際は、マスクがない場合でもティッシュやハンカチ、あるいは肘の内側で口と鼻をしっかりと覆う「咳エチケット」を徹底しましょう。また、家族全員が、石鹸と流水によるこまめな「手洗い」を習慣づけることが非常に効果的です。特に、外出先から帰宅した時、食事の前、トイレの後などは必ず行いましょう。アルコールベースの手指消毒剤も有効です。感染者が使用したティッシュは、蓋つきのゴミ箱にすぐに捨て、部屋は定期的に窓を開けて「換気」し、空気の入れ換えを行いましょう。洗面所や風呂場のタオルは、家族内でも共用を避けるのが賢明です。感染者が使った食器類は、通常通り食器用洗剤で洗えば問題ありませんが、心配な場合は分けて洗うとより安心です。一方、感染者本人が家庭で療養する際のセルフケアも早期回復には欠かせません。何よりも「十分な休養と睡眠」をとり、体力の回復に努めることが大切です。発熱や咳によって体内の水分が失われやすいため、水やお茶、経口補水液などでこまめに「水分補給」を行い、脱水を防ぎましょう。食事は、消化が良く栄養価の高いものを、無理のない範囲で摂るようにします。また、空気が乾燥すると咳が悪化しやすいため、「加湿器」を使用したり、濡れタオルを室内に干したりして、部屋の湿度を50~60%程度に保つと、喉の負担が和らぎます。マイコプラズマ感染症には、インフルエンザのような予防接種(ワクチン)はありません。だからこそ、日頃からの基本的な感染対策が、自分自身と周りの人々を守るための最も確実な方法となるのです。

  • ものもらいと間違えやすい下まぶたの他の病気

    医療

    下まぶたに腫れや赤み、しこりが現れた時、多くの人は「ものもらいができた」と考えがちですが、実際には似たような症状を示す他の病気の可能性も潜んでいます。自己判断で対処してしまうと、適切な治療の機会を逃し、症状を悪化させてしまう危険性もあるため注意が必要です。ものもらいと間違えやすい代表的な病気の一つが「アレルギー性結膜炎」です。花粉やハウスダスト、動物の毛などが原因で起こり、主な症状は強いかゆみと、涙のようにサラサラとした水様の目やにです。まぶたが腫れることもありますが、ものもらいのような局所的な痛みやしこりは伴わないことが多く、両目に症状が出やすいのも特徴です。次に「眼瞼炎(がんけんえん)」は、まぶたの皮膚そのものが炎症を起こす病気です。皮膚が赤くただれたり、まつ毛の根元にフケのようなものが付着したりします。ウイルスや細菌の感染、皮脂の過剰分泌などが原因で、まぶた全体の腫れやかゆみを伴います。また、特に注意が必要なのが「眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)」です。これは麦粒腫が悪化したり、副鼻腔炎から細菌が波及したりして、眼球の周りの脂肪組織にまで炎症が及んだ重篤な状態です。まぶただけでなく目の周り全体がパンパンに赤く硬く腫れあがり、強い痛みや発熱を伴います。視力低下や、目を動かすと痛む(眼球運動痛)、物が二重に見える(複視)などの症状が出た場合は、緊急の治療が必要なため、直ちに眼科を受診しなければなりません。その他、目頭が赤く腫れて痛む場合は、涙を鼻へ流すための管が詰まって炎症を起こす「涙嚢炎(るいのうえん)」の可能性もあります。さらに非常に稀ではありますが、高齢者で治りにくいしこりやただれが続く場合は、「基底細胞がん」や「脂腺がん」といった悪性腫瘍の可能性もゼロではありません。これらの腫瘍はゆっくりと大きくなり、時には出血を伴うこともあります。このように、下まぶたの異常には様々な原因が考えられます。痛み、かゆみ、しこりの有無、症状が片目か両目か、全身症状(発熱など)はあるか、などをよく観察し、少しでも「いつもと違う」と感じたら、安易に自己判断せず、必ず眼科医の診察を受けるようにしてください。

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