先日受け取った会社の健康診断の結果通知、その中の一文が私の心を凍りつかせました。「血糖値高値、要精密検査」という、見慣れない文字列です。正直なところ、青天の霹靂でした。自分はまだ三十代で、スポーツも定期的に楽しんでいるし、体重も標準の範囲内。特に体に不調を感じることもなく、糖尿病なんて自分とは無縁の世界の話だと思い込んでいました。しかし、現実に突きつけられた数値は嘘をつきません。無視するわけにもいかず、私は重い腰を上げて病院へ行くことを決意しました。そこで最初にぶつかったのが「何科に行くべきか」という、素朴で切実な疑問でした。近所の内科クリニックは手軽で便利ですが、どうせ一度診てもらうなら、やはり専門の先生がいるところの方が安心できるのではないか。そんな思いが頭をよぎりました。実は私の父が長年糖尿病を患っており、合併症で苦労する姿を間近で見てきたため、この病気に対する漠然とした知識と恐怖心があったのです。インターネットで情報を集め、いくつかの選択肢を比較検討した結果、私は少し足を延ばして、地域の基幹病院に設置されている糖尿病内科を受診することに決めました。初診の予約電話を入れるのは少し勇気がいりましたが、事情を話すと丁寧に対応してくれました。当日は、これまでの生活習慣や食生活、そして家族歴について非常に詳しく問診が行われ、改めて血液検査や尿検査を受けました。後日、告げられた診断は「二型糖尿病」。ショックでしたが、担当の専門医は私の不安な気持ちを丁寧に受け止め、これからどうやって病気と向き合っていくべきか、治療方針や食事療法、運動療法について、私が理解できるまで時間をかけて説明してくれました。さらに、専門の管理栄養士による栄養指導の時間も設けられており、日々の食事で具体的に何をどう変えればよいのかを学ぶことができました。あの時、安易に近所の内科で済ませず、少し勇気を出して糖尿病内科の扉を叩いたことは、私にとって最良の選択だったと今では確信しています。専門的な知識を持つ医療チームに支えられているという安心感が、前向きに治療に取り組むための大きな原動力になっているからです。