日本の夏は高温多湿であり、身体にとっては常に大きな負担がかかる環境です。この時期に多くの人が悩まされるのが、熱中症への恐怖と、それに伴うトイレの回数の増加という問題です。この二つには、実は自律神経という共通のキーワードが隠されています。自律神経は体温を一定に保つために発汗や血管の伸縮をコントロールしていますが、過酷な暑さや冷房による冷えが交互に加わると、そのバランスが容易に崩れてしまいます。自律神経が乱れると、尿を溜める膀胱の筋肉が勝手に収縮したり、本来は尿を抑えるべき時間帯に尿意を強く感じたりすることがあります。これが、熱中症の前兆としての頻尿を招くメカニズムです。また、自律神経の不調は消化器系にも影響を及ぼし、水分の吸収効率を低下させます。せっかく熱中症対策として飲み物を摂取しても、腸で正しく吸収されなければ、それは単なるお荷物として尿に変わるだけになってしまいます。したがって、真の熱中症対策とは、単に水を飲むことではなく、自律神経を整えることにあると言っても過言ではありません。具体的には、決まった時間に起床し、太陽の光を浴びることで体内時計をリセットすることや、シャワーだけで済ませずぬるめのお湯に浸かってリラックスする時間を設けることが推奨されます。また、トイレの回数が増えることを気にするあまり、水分摂取を極端に控えるのは最も危険な行為です。もしトイレが近くなって困るなら、まずは飲む内容を水から経口補水液に変え、一口ずつ噛むように飲むようにしてみてください。これにより、身体への吸収が緩やかになり、急激な尿意を抑えることが可能になります。自身の身体が今どのような状態にあるのか、排尿の頻度を通じて対話し、無理をさせない生活を送ることが、熱中症という脅威から身を遠ざける唯一の道なのです。
暑さによる自律神経の乱れとトイレ頻度の相関関係