昨年の夏、僕は趣味のサイクリング中にこれまでにない体調の異変を経験しました。その日は朝から気温が上昇しており、僕は万全の熱中症対策を講じたつもりで、数分おきにこまめに水を飲んでいました。しかし、走り始めて二時間ほど経った頃、妙にトイレが近くなったのです。普段なら数時間は平気なはずなのに、三十分おきに公衆トイレに駆け込むような状態でした。喉は乾き続けているのに、飲んだそばから尿として出ていってしまうような感覚に、僕は少し違和感を覚えましたが、しっかり水分を摂っているから大丈夫だろうと自分に言い聞かせて走行を続けました。ところが、次第に手足が痺れ始め、目の前がチカチカするような感覚に襲われたのです。慌てて木陰に自転車を止めて休んだのですが、そのときになってようやく、自分の行いが間違っていたことに気づきました。僕が飲んでいたのは純粋なミネラルウォーターだけで、塩分の補給を完全に忘れていたのです。トイレの回数が増えていたのは、身体が薄まりすぎた血液を元に戻そうと必死に水分を排出していた結果でした。つまり、僕は水を飲めば飲むほど、自分自身を脱水状態へと追い込んでいたのです。幸い、通りかかった人が経口補水液を分けてくれたおかげで事なきを得ましたが、あのまま走り続けていたらと思うと今でもゾッとします。この経験から学んだ最大の教訓は、トイレの回数は体調を知るための重要なバロメーターであるということです。回数が増えるということは、身体が何かを訴えているサインです。単なる水の摂りすぎと楽観視せず、電解質のバランスが崩れていないか、あるいは自律神経が乱れていないかを冷静に判断する必要があります。今年の夏は、水の代わりに塩分入りのドリンクを常備し、自分の身体のリズムに耳を傾けながら、無理のない範囲でスポーツを楽しもうと心に決めています。
僕が体験した熱中症とトイレの回数に関する教訓