私の父が脳梗塞で倒れたとき、私たち家族は目の前が真っ暗になるような絶望感と、これから始まるであろう転院探しへの不安に押しつぶされそうでした。しかし、運び込まれた先が偶然にも地域のケアミックス病院であったことが、私たちの大きな救いとなりました。その病院は地域でも評判の病院で、救急外来から集中治療室、そしてリハビリ専門の病棟までを備えた、まさに医療の総合デパートのような場所でした。入院当初、父は意識も混濁しており、私たちは日々の容体変化に一喜一憂するだけで精一杯でしたが、急性期病棟での二週間、医師や看護師の方々の懸命な治療により父の命は繋ぎ止められ、左半身には麻痺が残りました。主治医からこれからはリハビリの期間に入りますと言われたとき、私は反射的に別のリハビリ病院を探さなければならないのかと緊張しましたが、先生は笑顔で大丈夫ですよ、来週から三階の回復期リハビリ病棟に移動しましょうと言ってくれました。この一言がどれほど心強かったか、言葉では言い表せません。病院を変えるとなると、まず紹介状をもらい、新しい病院へ面談に行き、また一から父の病歴や性格を説明しなければなりませんし、さらに救急車の手配や荷物の移動といった物理的な労力も伴います。しかし、ケアミックス病院であるこの場所では、スタッフ同士の申し送りだけで転棟が完了しました。看護師さんもお父さんの好きな音楽、リハビリ室でも流せるように伝えておきましたよと言ってくれ、情報のバトンタッチが丁寧になされていることに感動しました。移動したリハビリ病棟でも、父の顔色や飲み込みの癖などがすでに把握されており、父も環境の変化に戸惑うことなく、初日からリハビリに集中することができました。家族としても、通い慣れた道、顔なじみの受付、勝手のわかる食堂など、通院のストレスが最小限で済んだことは、長期戦の介護において非常に大きなメリットでした。最終的に父は三ヶ月の入院を経て、自分の足で自宅に帰ることができましたが、このスムーズな快復の裏には、ケアミックスという仕組みがあったからこそだと確信しています。もし、これから家族の入院を経験する方がいるなら、私は転院先を別の病院にする必要がないというメリットの大きさを伝えたいです。病気という緊急事態において、環境が変わらないことは最高の薬になります。ケアミックス病院は、患者だけでなく、支える家族の心にも寄り添ってくれる素晴らしいシステムであり、あの時、父がこの病院に運ばれた幸運に、今でも心から感謝しています。