私は長年お風呂上がりに綿棒を使って耳掃除をすることが欠かせない日課となっていました。あの耳の中をなぞる時の何とも言えない心地よさと綿棒の先に耳垢がついた時の達成感は私にとって一日のストレスを解消する最高のリラックスタイムだったのです。しかしその習慣がある日突然地獄のような苦しみへと変わりました。始まりは右耳の奥に感じたわずかな痒みでした。私はいつものように綿棒で少し強めに耳の中を擦りましたが数時間後には痒みが鈍い痛みへと変わり夜中には耳を枕につけることさえできないほどの激痛へと悪化しました。翌朝這うようにして耳鼻科を受診したところ医師から告げられた言葉は衝撃的でした。耳の中が真っ赤に腫れ上がりカビが生えているというのです。病名は外耳道真菌症。長年の耳掃除の「しすぎ」によって皮膚のバリアが完全に崩壊しそこに湿気が溜まったことで真菌が繁殖してしまったとのことでした。診察室で耳の中を洗浄してもらう処置は意識が飛びそうになるほどの痛みで私は自分の不注意を激しく後悔しました。医師からは耳掃除は一ヶ月に一度でいいと言われましたが毎日掃除をしていた私にとってそれは信じがたいアドバイスでした。しかし私の耳の皮膚はもはや綿棒が少し触れるだけで出血するほど薄く脆弱になっていたのです。完治するまでの二週間私は耳の痛みだけでなく水が入る恐怖や耳栓をしたような閉塞感に悩まされ仕事にも全く集中できませんでした。あんなに楽しかった耳掃除の時間が実は自分の大切な体の一部を傷つけ続けていた自傷行為だったのだと気づかされたのはこの激痛を経験した後でした。あれから数ヶ月私は耳かきをすべて捨てお風呂上がりはタオルで耳の表面を拭くだけに留めています。最初は物足りなさを感じましたが次第に耳の痒みそのものが消えていき以前よりもずっと耳の調子が良くなったことに驚いています。耳掃除を「しすぎ」ることで得られる一時的な快感は将来の激痛という重い負債を背負うことだと身を以て学びました。もし今これを読んでいる方の中で私と同じように毎日耳掃除をしている人がいたらどうか今すぐその手を止めてください。あなたの耳はあなたが思っている以上に繊細で自立した存在なのですから。